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俳句漫遊記136 鳥

鳥の恋ノースカロライナへ無線  中嶋憲武

チチチチチ、と、鳥の恋を音にすると、そんな感じ。それが無線電波の「感じ」と、どうにもこうにも気持ちよく交錯するざんす。

ああ、なんで、この句にこんなにも気持ちよく刺激されるのだろう? ノースカロライナなんて、行ったことも見たこともなく、なにも知ってはいないのに。

掲句は『豆の木第12号』(2008年4月)より。


余談。自分の周りには、575音を律儀に構成して俳句を書く人が多い。

 とりのこえ/のーすかろらい/なへむせん

流派・世代によっては、そのへんいわゆるアバウトで、「おおよそ575音」といった捉え方の人もいるようだ。破調を否定しないし、つまりは声としてどんなリズム(韻律)なのかが問題と考えるタチだが、575音がきちんと収まっていると、きれいな菓子の詰め合わせを見たときのように嬉しくなる。

(この句を593音と解する向きもあろうが、私は593型の575と解する派)

例えば週刊俳句第55号の「芯」(杉山久子)にある「語り部と呼ばれ青芒のごとし」も同様に律儀に575音。句を味わうにメインテーマではないが、やはり嬉しくなってしまうのだ。
by tenki00 | 2008-05-11 21:04 | haiku-manyuuki
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