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俳句漫遊記124 雨ですね

雨が降ってます。いまも。

  三月や傘を開いて雨の下  茅根知子

気持ちがいい。わたくし、晴れも好きだが、雨も好き。come rain or come shine.

それはともかく、誰かが「傘で、雨?」と言うかもしれない。それについては上田信治さんのコレ↓
http://uedas.blog38.fc2.com/blog-entry-135.html

すると、また誰かが、「三月じゃなくてもいいのでは?」と言うかもしれない。そのあたりについてはコレ↓
「季語は動くのか?」
http://blog.goo.ne.jp/y-yuumu/e/a611fd9b5ad1beb853ec7fd826edb800


掲句は、『眠るまで』(本阿弥書店2004年)より。

ほかにいくつか気ままに。

いつか死ぬ人を愛する涼しさよ  茅根知子(以下同)
団栗を拾へば濡れてゐたりけり
薄紙に包まれてゐる夏帽子
剥きたての色してゐたる蚯蚓かな
八手咲くあたりの星の明るさに
水の上を流れてゐたる冬の蜂
たつぷりと鰭を使ひし金魚かな
わが影の頭を蟻がとほりけり

こう抜くと、偶然なのか、「ゐる」がめだち、そこをなんだかんだと言う人も出てきそうだが、わたくしは、「ゐる」「をり」等を整理して、そのぶん余計なことを言うくらいなら、ゆるく音数をかせいだほうがよっぽどマシと思っている。これは趣味の問題かも。

※なお、『週刊俳句』第26号に、村田篠さんによる茅根知子さんの紹介記事がある。
http://weekly-haiku.blogspot.com/2007/10/blog-post_4948.html
by tenki00 | 2008-03-20 11:45 | haiku-manyuuki
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