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コンピ句 compi-ku の楽しみ

レコード(当時はCDじゃない)から自分の好きな曲を選んで、好きな曲順でカセットテープ(今ではほとんど見ないメディア。そういうものがあったのです。今でもあるけど)に録音するという遊びをやった人は、私の世代の音楽好きには多いと思う。曲の寄せ集め、詰め合わせ(assorted)。商業CDにもそれがあって「コンピレーション compilation」と呼んだりもする。

以前、俳句でそれをやった。たくさんではない。数句あるいは2句。好きな句をただ並べるというのではなく、「ある意図」をもって組み合わせてみる。例えば(昔やったもの)。

聖くゐる真夜のふたりやさくらんぼ    日野草城

敵一人増えて真っ赤なさくらんぼ     長谷川裕

じゃんけんできめりゃいいのよさくらんぼ 雪我狂流

茎右往左往菓子器のさくらんぼ      高浜虚子
こう並べると、楽しいストーリーになる。ひとりニコニコとほくそ笑む。

句をつくった人が他の句を意識していることはない。いわば既製品としてすでに存在する句を、こっちが勝手に取り出し並べる。この遊び、この作業を仮に「コンピ句 compi-ku」と呼んでおこう。

句が「1句として在る」のは自明だが、読み手としての楽しみ方にはいろいろあっていいでしょう。どんと1冊、ひとりの俳人の句集を読む愉しみ、それはそれとして、また1句、好きな句を取り出して、愛の告白をするように(こんなにも好きなんです)、その句について語ってみる愉しみ、それはそれとして、「こう並べてみると……ふむふむ、ほおー、あはは」ってな具合に「コンピ句」として読んでみるのもまた、私にとっては愉快な遊び。ざんす
by tenki00 | 2006-10-31 19:02 | haiku
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