毎月、全員が、ではないが、2句ずつ競作。2句という数がちょうどいい。鑑賞は本来、豆の木の掲示板でやることなんだけれど、この掲示板は、峠谷さんオンステージ(大活躍)状態になっているので、ここに。
バカボンのパパとバカボンアイスクリン 朝比古 バカボンのパパはバカ田大学卒なのだ。って、そんなことはどうでもいいか。そのバカ田大学の同窓生数人がバカボンの家に集まったことがあって、それはそれはヘヴンリーな話なのだった。って、こんなこともどうでもいいか。俳句は「しばしば名詞の詩である」という言い方をされる。アイスクリンと締めてくれたところがたいへん嬉しい。 ところで、手元にある『2005年版俳句年鑑』(角川書店)の記事「年代別二〇〇四年の収穫…三〇代」(櫂未知子)には、朝比古さんについて、こうある。「現代的な措辞と五七五とのぶつかり合いが面白い作家。時折暴走が見られるが、いずれしっかりと腰の据わった作品を見せる作家として安定すると思われる」 この記事を読んだ頃は、「朝比古さんが暴走なんてするのだろうか? 私生活ではいざ知らず、こと俳句において」と納得がいかなかったのだが、バカボン句はりっぱな暴走かもしれぬ。あ、なるほど、と。 私としては、これからも「時折暴走」を切望いたす。それによって俳壇の全構成員から冷たい仕打ちを受けようとも、私が、朝比古@暴走の味方についてさしあげよう。まったく頼りにならぬ味方ではあるが。 明朗な素足だ沖永良部島 ぽぽな めいろうなすあしだおきのえらぶじま。句全体のもつスピードが心地よい。このスピード感に尽きる。たしかな韻律、そして言葉の(擦り切れ感とは無縁の)新鮮な肌理が成し遂げるスピードである。夏と、そしてヒトの香りがしてくる。いい意味での「俗」のもつ興趣もある。 今月はこの2句。気持ちよくいただいたざんす。
by tenki00
| 2006-07-12 12:05
| haiku
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