人気ブログランキング |

間違い

休みの日、家でくつろいでいると、「麦の会」編集長・南志さんから電話。麦誌郵送の住所シールを至急もう一部作れというご用命だ。

事情を説明すると、私は「麦の会」という俳句の会にいて、そこの「郵送シール作成係」という、ものすごい役目を負わされている。なんで、そんなことになったかというと、去年だったか、「集まりに来い」と言われたので行ったら、「やれ」と言われた。それでやっているのだ。断らない私って、お人好しというかバカでしょ? でも、そういう人生なのだから、しかたない。

名簿のデータをもらい、それをスプレッドシート(エクセル)にした。それを毎月毎月更新して(会員が抜けたりお亡くなりになったり入会したりするわけですよ)、更新データをシール印刷のアプリケーションに落とし、印刷。というわけだが、きっついシノギでカツカツ食いつないでいる私としては、そんなことやってる場合じゃない。アルバイトさんに毎月毎月大活躍していただく。

で、何の話だっけ? そうそう。南志さんから電話。なんで、もう一部必要になったかというと、いったん会員に送ったが、刷り直して送り直すからだ。なんで刷り直すかというと、4月号は、作家賞と新人賞の発表があるのだが、受賞者おふたりの写真が逆になっちゃったらしい。

わおっ! 凄いミス。校了で確認できずに写真の放り込みを印刷屋に任せた手順も手順だが、印刷屋も印刷屋だ。

でも、私は、それを他人事のように笑うことはしない。なぜかというと、私のシノギは、世間一般の範疇でいうと「編集関係」というやつだからだ。「考えられないようなミスや失敗が存在する」ということを知っているのがプロ(笑)だからだ。

プロ(笑)とどうしても自嘲してしまうのだが、以下プロの後の(笑)は省略。物事というものがときどきうまくいかないことを知っているのがプロ(職業人)であるというのは、実は本当のことで、シロウト(それを職業としていない人)には、ミスや失敗に関わる機会がない。何かが出来上がるということを、漠然としか理解できない。だから、モノというものは、大過なく、オートマチックに出来上がってくるとでも思ってしまう。

印刷物ということでいえば、シロウトほど、「誤植」を大袈裟にあげつらう。誤植を見つけたとたん、鬼の首でも取ったかのように「なぜ、こんな誤植が見つけられないのか?」と胸を張る。だが、プロは、そんなことは言わない。「誤植はしばしば起こる」ことを知っているからだ。そして、誤植を見つけて得意になっている人がまだ見つけていない「間違い」がたくさんあるかもしれないことも知っている。

間違いは、プロがやっても、シロウトがやっても、起きるときは起きる。それを身をもって知っているのがプロで、知らないのがシロウトなのだ。
(ただし、プロは校正のとき、おしゃべりなどは絶対にしない。もし、俳誌の校正で、何人かが集まり、おしゃべりをしながら校正をしているとしたら、校正漏れがないほうがおかしい)

なんかこう、誤植や間違いの言い訳みたいになっているが、そうではない。絶対にそうではない。…と強調すればするほど、言い訳みたいだ。どっちでもいいや。

ま、いろいろ間違いは起こるが、それが世の中。セ・ラ・ヴィ。ときどき間違いがあったほうが楽しい。というわけで、休みの日に、ひとり仕事場に出て住所シールを作ったのだった(アルバイトさんに電話して、やり方を聞いて)。

しかしまた、とぼけた印刷屋だなあ。切ればいいのに(笑。
致命的なミスをすると仕事が来なくなる(あるいは事業そのものが潰れる)、それを知っているのも、これまたプロなのだから。
by tenki00 | 2006-03-23 01:07 | haiku
<< 電器製品の寿命 芝不器男俳句新人賞 >>