母親が今日、帰っていった。法事への出席のために上京、うちに2泊した。国立駅で切符を買うのを見届け、見送る。
こちらにいるあいだ、私もyuki氏もそれほど付き合ってあげられないので、芝居をインターネットで探し、「これ、観に行けば?」。劇場までの道筋を説明する。ちゃんと自分で出かけ、芝居を楽しみ、帰ってきた。えらい! えらい!
あるとき、私に訊く。内容を憚ったのか、yuki氏のいないときだった。
「なあ。あんたは『フリーター』?」
え? いや、あの、あはははは。フリーターとは違うな。うん、違う。
フリーターという言葉をテレビで聞いたのだろう。私は勤め人ではないので、息子がそうなのか?と思ったのだろう。ううん、似てないこともないが、やはりフリーターではない。こんな年齢だし。
むかし、母が私に、どんな仕事なのかを訊くので、「本や雑誌の中身をつくっている」と答えた。細かいことを説明しても伝わらないだろうから、かいつまんで言ったつもりだった。母はそれを聞いて、「たいへんやなあ。糊で貼ったりするんか?」。
いや、あの、あはははは、中身といっても、製本ではなくてね。
結局、いまも、母は、自分の息子がどんな仕事で飯を喰っているのか理解できないでいるらしい。