凧ぬっと太陽肛門へ 九堂夜想
凧(いかのぼり)の行方は太陽肛門。
太陽が肛門へ、と読むのはやはり無理があり、「
太陽肛門」と、造語っぽい四字熟語(というのか?)と解したい(解すべき)。
まあ、しかし、太陽肛門とは、なんとイメージ喚起力の高い四文字でしょう。この一句、俳諧の宜しさを備えつつ、ユニヴァーサルでアヌスなところは稲垣足穂にも思いが到ります。
掲句は、「ムルソー」30句〔『LOTUS』第20号(2011年8月)所収〕より。
ムルソーはカミュ『異邦人』の主人公、「太陽のせい」にしちゃった、あの人。この連作には太陽が数多く登場する。
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