絨毯つながりではないですが、
火葬場に絨毯があり窓があり 山口優夢 山頭火の≪よい道がよい建物へ、焼場です≫も思い出すこの句、虚無的なようでいて、酷薄なようでいて、やっぱり優しさがあるのだなあ、と思う。「窓」に行くところが。 この句が収められた『残像』(2011年7月・角川学芸出版)から、何句か。 台風や薬缶に頭蓋ほどの闇 どくだみに日当たるときはもう夕日 桃咲くやこの世のものとして電車 電話みな番号を持ち星祭 なお、以下は余談。句集のタイトルになっている≪あぢさゐはすべて残像ではないか≫という句。高く評価する声が聞こえてくるが、私にはあまり魅力がない。理由はおそらく「文学」的だから。古い(伝統的な)「文学」のノリを素敵な感じで備えている。ここは好悪の分かれるところでしょう。 俳句が「文学」の下位分類であるなら、俳句全般、それほど魅力はないんですよね。詩の下位分類であることも、また同様。文学や詩と、クールに距離を置いた句が好みなので、「あぢさゐは~」の句には食指が動かないのですね。作者がめざす方向と、読んだ私が「いいな」と思う部分とが合致しないことは、よくあることです。 一方、この「あぢさゐは~」の句は、パロディ・もじりのしやすいかたちをしている。その点で、これからますます存在感を増し、重要な句、いわゆる「名句」になっていくかもしれません。 《あぢさゐはむしろ残響ではないか》を某句会に出したときは微妙な空気が流れましたが。 クロサイのそれは残尿ではないか 10key おぢさんはすこし残念ではないか 同 俳諧はすべてパロディではないか rockets_yamada ● ■
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by tenki00
| 2011-10-07 21:00
| haiku-manyuuki
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