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むかしの鉄道

少し前の記事でむかしの鉄道の人たちのことを貶めるような言い方をしました(→これ。でも、日本の鉄道技術、ある部分のサービスの質がとても高いこと(時間どおりとかね)は、よく知っています。

『技術者たちの敗戦』(前間孝則)というとてもおもしろい本があります(→こちら)。そこには戦前から前後にかけて国鉄で活躍した技術者・島安次郎、秀雄親子のことが書かれています。

いや、すごいです。すばらしいです。信頼しちゃいます。「たくさんの人を運ぶ鉄道に〔新しい技術〕はいっさい要らない。着実に積み上げてきた技術だけを使うのだ」みたいなセリフがあったり、戦時中の苦労(これも悲壮感よりむしろ清々しい努力や工夫)が伝わったりで。

この本、ほかにも、いろいろな分野の技術者が紹介されています。大きな流れとしてよくわかるのは、小国日本が列強との戦争のために軍需技術を磨く、それが戦後の民需技術に活かされたこと。

で、がんばったのは若い人なんですね。ジェットエンジンを、東大航空学科を卒業してまもない人たちが開発したりする。それがホンダのエンジンに結実する。これを読むと、大正以前生まれの人たちの遺産を、戦後ずっと食いつぶしてきたという思いが強くなります。それは思い込みに過ぎず、まちがってるかもしれませんけどね。

というわけで、むかしの鉄道に恨みはないし、貶す気もないんです。




by tenki00 | 2011-01-10 18:00 | etc
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