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合同句集『きざし』を読む(2)

句集『きざし』は「炎環新鋭叢書シリーズ5」とある。入集は、新井みゆき、石井浩美、近恵、斎藤雅子、宮本佳世乃の5氏。1氏80句を収める。

今回は、宮本佳世乃さんの「晴れわたる」。

  弁当の本質は肉運動会  宮本佳世乃

肉というもの、やはり存在感があるのだろうか。〈実(じつ)のあるカツサンドなり冬の雲・小川軽舟〉という句もあった。

けれども肉ばかりでは美味しくない。カツサンドのカツもパンあっての美味しさ。それと同じでご飯も欲しくなる。

  万緑やご飯の後のまたご飯  同

このあたりは、句集名のとおり、晴れわたっている感じですが、半面、ちょっとした疲労や翳り、鬱屈の伝わる句もあって、こちらがむしろおもしろかった。

  夕焼けを壊さぬやうに脱ぎにけり  同

  くつ下を脱ぎくつ下の跡立冬  同

この2句は、自分の家に帰ってきたときの安堵感のようなものが微妙に伝わる。

ほかに、こんな句も。

  夏の夜の川の音するピアノかな  同

  ともだちの流れてこないプールかな  同

  宴会の果てて鯨を思ひけり  同

  しまうまの縞のつづきのぼたん雪  同



宮本佳世乃さんは、今週の「週刊俳句」第177号に、「色鳥」10句がある。
http://weekly-haiku.blogspot.com/2010/09/blog-post_12.html

颱風裡波のかたちの紙粘土  宮本佳世乃

色鳥とごちやまぜにある水しぶき  同




by tenki00 | 2010-09-15 21:30 | haiku
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