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切って読む

…というルールは、いつ、どこで定着したのだろう?

関悦史「いわゆる難解俳句から季語の母性を経てアーキテクチャへ、それで結局『新撰21』は何が“新”しかったのかについて」(週刊俳句第173号)に、感慨+季語パターンの例として挙げられているこの句。

  鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤楸邨

何年か前にも、ここで話題になった。

「鰯雲/人に告ぐべきことならず」と読むのが常識で、ここで言われている「こと」は、なんのことだか、読者にはわからない。作者の頭のなかにある「こと」。

切らずに読めば、「鰯雲(が広がっている。でもこれって)人に告ぐべきことならず」。

笠智衆(縁側で空を眺めて、ひとりごと):ほお。
東山千恵子:え、どうしたんですか。
笠智衆:あ、う、その、ああ。いや、いいんだ。
     (鰯雲のことなど、わざわざ人に言ってもしかたがない)

切らずに読むと、脱力系のタダゴト句に読めるんだけど?

でも、それじゃあ、寒雷系、人間探求派は納得しないわけですね。わかります。

でもね、「鰯雲/人に告ぐべきことならず」と読んで、これのどこがおもしろいのかわからない(きょとん)という人も多いと思う。いくらそれを「マクガフィン=無意味であるがゆえに機能するもの」(同上)と呼んでみても。




by tenki00 | 2010-08-18 10:00 | haiku
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