いや、ありがたくないです。
NHKで冬季五輪を観ていると、「それではこのへんで皆さんからファクスやメールをご紹介します」とかなんとかいった時間になって、「そんなものはいいから、競技の映像を流せ!」と視聴者の大多数が思っているはずなのに、なぜ、あんなコーナーがあるのでしょう。 双方向性とか? そういうのがこれからのテレビには大事だとか言う人がいたりして? で、じつは俳句の話です。 その句会のリーダー格の人が、「で、あなたはそれを見て何に感動したの? 感動したから句にしたんでしょ。それが伝わってこない」というようなことを言っているのを聞いて、ぼくは「?」と思ったものだ。 感動するから句を作るのか? 考えたこともなかったので驚いたのである。 でもそれに類した発言をその後、何度か聞くことになり、どうやらそれほど珍しい意見でもないらしいことを知った。 そんな「指導」を受けた人は、ひたすら感動探しに明け暮れることになるだろう。 なんか変だ:無門日記 俳句と感動をセットに考える人はきっと多いと思います。 試しに、「俳句 感動」でgoogleしてみると、523,000件がヒットしました。(註1) 私も前掲ブログ記事の書き手・五十嵐秀彦さんとほぼ同じで、「?」と思います。 1 ふつう、人はそんなにしょっちゅう感動しない。「感動」を指導する人は、周囲から「感動屋さん」と呼ばれていたりして、ちょっと厄介な人に思われている可能性が大。 2 作者の感動に、興味がない。※作者の心の動きに興味がないこととパラレルかも。 3 それは、主情的な句を好まないという、単に好みの問題かもしれない。 4 句から「興趣」を受け取ることはある、それは好き。感動とどう違うのか(はっきり違う気がする) いずれにせよ、あなたの「感動」を私に伝えていただかなくてよろしいのですが、じゃあ、何を?と問われると、俳句というのは「伝える」ものではない気がします。 何かを伝えるには、不都合の多すぎる形式ですし(字数の問題だけではなくて)。 (註1) 「俳句 感動」でgoogle 523,000件 「短歌 感動」でgoogle 271,000 件 「小説 感動」でgoogle 5,790,000 件 この数字は、市場規模をゆるやかに反映している気がします。
by tenki00
| 2010-02-17 22:00
| haiku
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