22:00スタートのレイトショーとはいえ金曜日。なのに空席だらけ(20~30人か)。シネコンのチケットカウンターで列をつくっていた若者たちのほとんどは「アバター」目的だったのですね。
「インビクタス~負けざる者たち」(クリント・イーストウッド監督2009年)は、全篇がオーラに輝く映画でした。歴史的事実のオーラ(マンデラのオーラ)、モーガン・フリーマンのオーラ、民衆のオーラ。 ラグビーの試合シーンは、映画によくあるチャッチさがありません。実際のゲームを忠実に再現しているようです。俳優(選手?)のからだも充分。マット・デイモンの肉体も「6」番にはキツい感がありますが、充分にラガーっぽい。 ニュース映画を観ているようなリアリティ(実際にニュース映像との合成シーンあり)、ネタの抑制の効かせ方、声と音楽による盛り上げ方など、いいですねえ、と思うところがたくさん。 あれれ?な箇所としては、1年間でWカップに優勝するくらいの強豪チームに仕上がったりするのか? あるいは強くなった根拠が「覚悟」や「心意気」以外に示されない、といったことはありますが、それはフィクションで通用するツッコミ。これは「事実」をもとにした映画であって、実際、1995年、南アフリカは優勝してしまったのだから、しかたがない。 去年のイーストウッド映画(グラントリノ、チェンジリング)と比べて、「よく出来ている」観はそれほどでもないのに、鳥肌立ちっぱなし。それはきっと、「よきもの」がこの映画にあるからです。 「よく出来ていること」と「よきものがあること」とは別のことなのですね。 頑固親父(グラントリノのイーストウッド)の気骨から、マンデラの寛大へ。「よきもの」の肯定の度合いがさらに深まった、あるいは広がった。そう思いました。
by tenki00
| 2010-02-14 18:00
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