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皿が9枚

昨年暮の『新撰21』の刊行記念パーティで、若い俳人君(この本に入集している人)から、「誰の100句がおもしろいですか?」と訊かれ、スモークサーモンを頬ばりながら「関悦史」と答えたが、どうもその答えが圧倒的に多いらしい(パーティ会場で忙しくリサーチとは、お疲れさま、谷君)。

鴇田智哉は、第一句集『こゑふたつ』を読んでいるし、この数年来のファン。今回の21人に入っていることに、私自身は収まりの悪さを感じる。もう、ここじゃないでしょ? 

高柳克弘も第一句集『未踏』をおもしろく読んでいたから、『新撰21』で100句まとめて読んでみて、という、先の質問の条件から外れる。というわけで、関悦史さんの100句がやはトピック。

  皿皿皿皿皿血皿皿皿皿  関悦史

レディメイド(高橋新吉1911)を、こうもあっけらかんと、という句が導入近くにあって、あとは、バラエティ豊か。ドキュメンタリー句ともいうべき祖母介護の七句あり…

  入歯ビニールに包まれ俺の鞄の中

駄洒落あり…

  口閉じてアントニオ猪木盆梅へ

踏み込んだ諧謔あり。

  核の傘ふれあふ下の裸かな

で、今のところいちばん好きな句は…

  襖一つ崖を落ちゆく時間かな

あたりか。

豊かなイメージ塑造やら言葉のレスリングやらは、きっと「愛嬌」という最高の美徳をもってして「詩」を逃れ、やはり「俳句」としか言いようがない。すんごく俳句だなあ、と。季語がない句も含め、きわめて俳句的だなあ、と。


『新撰21』は邑書林ホームページで購入可能。
by tenki00 | 2010-01-25 23:11 | haiku
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