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観くらべ 第12番 男の世界

予約したDVDをTSUTAYAが2本ずつ郵送で送ってくれるサービス。その2本に勝ち負けを付けるという、ヘンテコリンなシリーズの第12弾。


『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』(ジョン・ウー監督/1992年)

右 勝
『オフサイド・ガールズ』(ジャファール・パナヒ監督/2006年)


『ハード・ボイルド~』は香港の警察vsギャングもの。ジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』(1986年)でスターになった(という)チョウ・ユンファが主役。悪者一味が武器の密輸商というだけあって、銃撃戦で消費される火薬の量が半端ではない。例によって、シロウトも巻き添えになりまくり。ともかく、火器ふんだん、死傷者もふんだん。

一方の『オフサイド・ガールズ』はイラン(!)の映画。イラン映画って、初めて見ましたよ!

イランでは女性がスタジアムでサッカー観戦することが禁じられているのですが(今は違うかも)、そこになんとか紛れ込もうとする女性たち(ガールズ)の奮戦ぶりを描くのが、この映画。2006年ワールドカップの予選(イラン対バーレーン)、その試合当日の実際の街やスタジアムを映画のロケーションに、ストーリーが展開。つまりノンフィクションを舞台に、芝居が進行し、それを映画に収めるというスリリングな作り。それが、もう、いわゆるヴィヴィッドな空気感で、おもしろいったら、ない。

ストーリーは単純。見せ場もそれほどない。サッカーが観戦できるかどうかというと、できないし、映画のほとんどは、監視の軍人に「ダメ!」と行動を制限される時間で埋まる。それでも、この「空気」というのが、ほんとにイキイキとこちらに伝わり、映画的快楽に包み込まれる。

いや、もう、このジャファール・パナヒ監督、最高なのでは?(別のも借りてみようと思います)

ちなみに、この当時のイランチームには、あの国民的英雄ストライカーのダエイ、歴代アジア選手でベスト10に入れたいアリ・カリミ、名前からして巧そうなマハダヴィキアなどがいて、この映画でも実況として、これらの懐かしい名前が登場するのも、私としてはうれしい(アリ・カリミは、最高に胸熱のネタとしても登場)。


『ハードボイルド』も悪くないが、サッカーという男の世界に果敢にアクセスしようとするイランのおねえちゃんたちが素晴らしい『オフサイド・ガール』の勝ち。


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by tenki00 | 2012-04-30 18:22 | haiku

assorted 虚子

ちょっと昔の俳人の、選集を1冊取り上げ、20句選と逆選5句を持ち寄って、いろいろとしゃべる、という集まりがあって、私は一度きり参加させてもらったことがある。虚子『遠山』(深見けん二選)をやるというので、楽しみにしていたが、風邪でダウン。残念ながらお邪魔できなかった。

せっかくだから、ここでひとりさびしく。

【20句選】
蝶々のもの食ふ音の静かさよ
大海のうしほはあれど旱かな
桐一葉日当りながら落ちにけり
一つ根に離れ浮く葉や春の水
鎌倉を驚かしたる余寒あり
これよりは恋や事業や水温む
なつかしきあやめの水の行方かな
流れ行く大根の葉の早さかな
炎天の空美しや高野山
酌婦来る灯取虫より汚きが
川を見るバナナの皮は手より落ち
鯖の旬即ちこれを食ひにけり
稲妻を踏みて跣足の女かな
旗のごとなびく冬日をふと見たり
山国の蝶を荒しと思はずや
初蝶来何色と問ふ黄と答ふ
桃咲くや足投げ出して針仕事
いにしへの旅の心や蚤ふるふ
志俳句にありて落第す
明易や花鳥諷詠南無阿弥陀

まあまあ順当? 他人とどう違うかは自分ではわからない。超有名句では《遠山に日の当りたる枯野かな》《去年今年貫く棒の如きもの》を選んでいない。選に自分らしさみたいなものを求めた結果などではないのだが、超有名句を洩らさず選ぶというのも、なんだかなあ、というところもある。

他方、有名句をすべて外して20句並べる、というのも、虚子の愉しみ方としては見当違いだと思う。有名句は、やはり良いのですよ、虚子は。でも、有名じゃない句も良いよ、というのが虚子の大きさというかいい加減さというか。

【逆選5句】
虚子一人銀河と共に西へ行く
風花はすべてのものを図案化す
秋風や心の中の幾山河
線と丸電信棒と田植傘
朝顔にえーッ屑屋でございかな

逆選は難しかった。「われ」とか「虚子」とか、自分を句に登場させる虚子句のパターンは(《春風や闘志いだきて丘に立つ》も含め)全部嫌いなので、それだけで5句以上になるが、それも芸がない。1句目に代表させて、他から4句選んだ。

2句目はつまらない把握、3句目は政治家の晩年みたいないやらしさ(虚子って、いろいろな場所を旅しているのに、放浪・彷徨がまったく似合わない。これ、不思議)。4句目。白痴的な句は好きだけれど、この白痴性はちょっと違うんじゃないか、と。5句目。こういう取材句は大嫌い。


というわけで、20句選と逆選5句でしたが、この『遠山』にはおよそ400句が収められている。「なんでこの句が入っていないのだろう?」という超有名句に、《帚木に影といふものありにけり》がある。

また、《大寒の埃の如く人死ぬる》は入っているが、《大寒の見舞に行けば死んでをり》は入っていない。こちらが入っていれば迷わず20句選に入れていた。

ほかにも、洩れている有名句は多く、入っていたら20句選に入れたか、あるいは候補にしていた句に絞っても、《蛇逃げて我を見し眼の草に残る》《亀鳴くや皆愚かなる村のもの》《映画出て火事のポスター見て立てり》などがある(見落としなら御容赦)。

アンソロジーというもの、選ぶ人によって違うものになるのは当たり前です。そこで、週刊俳句で作った『虚子に学ぶ俳句365日』をパラパラめくって比べてみたら、思った以上に違っていた。

《水仙の花活け会に規約なし》みたいな脱力系が『遠山』から洩れているのは、まあ当然としても、ほんと、ずいぶんと違う(ご興味の方、どちらもめくってみてください)。

虚子は、いろんな愉しみ方ができるのだなあ、と。いまさらながら思ったですよ。


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by tenki00 | 2012-04-26 20:00 | haiku

風邪をこじらせている間に

某歌仙でお待たせしてしまっていたようで。

http://8408.teacup.com/namubow/bbs/3284

とはいえ、ここ、進行が早すぎませんか?w 張りついている人少なからず?



この春の風邪はひつこいようです。

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by tenki00 | 2012-04-25 23:16 | etc

観くらべ 第11番 彷徨

予約したDVDをTSUTAYAが2本ずつ郵送で送ってくれるサービス。その2本に勝ち負けを付けるという、ヘンテコリンなシリーズの第11弾。


『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』(ハル・アシュビー監督/1971)

右 勝
『さすらい』(ヴィム・ヴェンダース監督/1976年)



ひゃあ~70年代っぽい!というのが『ハロルドとモード~』を見始めてすぐの感想。画面やエピソードがポエミーなところ、主人公の若者がちょっと虚無的でデカダンな雰囲気なところ。70年代って、こういう感じ、あったよなあ、と。

自殺、というより死に対して異常な関心をもつ金持ちのボンボン(大学中退後、家でぶらぶらしている)と、エラくアクティヴな80歳のおばあちゃんの交情を描く。ボンボンの感情は交情を取り越して恋、さらに結婚まで望むというのは、ちょっと無理がある、というよりは、ストーリーとして、やりすぎ感。

前提をひっくり返して自由気ままに暮らすじいさんとの交情のほうが、ふつうにポエティックな映画になったと思うが、なんで、年の差(50歳以上)カップルにしちゃったのだろう。



『さすらい』は、176分と長尺。長い映画のなかには、「ああ、もっと続け! 終わらなくていい!」と思うような素晴らしい映画、その長さこそが快感であるような映画がある。例えば、『EUREKA』(青山真治監督/2000年)は217分、『ヤンヤン 夏の想い出』(エドワード・ヤン監督/2000年)は173分。

この『さすらい』。びっくりしました。最高です。

典型的なロードムーヴィー(流行りましたよね)なのですが、もう、どこをとっても最高に大好きとしか言いようがありません。

筋は紹介しません。きほん、行き場のない男ふたりの放浪、彷徨。オールドメディア(新聞・活字)とニューメディア(映画・映像)といった対照も副次的に鳴っている映画ですが、そんなことはそれほど重要ではなく、映画というのは光だよなあ、時間だよなあ、という、もう愉楽・愉楽の3時間弱でございます。

見逃してたんですねえ、これまで。ちなみにヴィム・ヴェンダースは、『ベルリン・天使の詩』が好き、『パリス・テキサス』は前半が好き、後半つまらない、というのが私の感想(好み)。


迷わず、右勝。

この期に及んで、こんな大好き映画が見つかるとは! という感じです。

なお、『ハロルドとモード~』は、魂の彷徨と捉えることもできましょうが、どうにも納得の行かない映画です。

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by tenki00 | 2012-04-21 11:27 | pastime

けむリンク5

承前・けむリンク4
承前・けむリンク3(紙媒体)
承前・けむリンク2
承前・けむリンク
『けむり』の造本

『天為』2012年4月号 矢野玲奈さん「新刊見聞録」で取り上げていただきました。

『鴻』2012年4月号 平山雄一さん「ON THE STREET」で取り上げていただきました。

ブログ「俳句の苑」で取り上げていただきました。
http://sun.ap.teacup.com/sono/367.html

誠にありがとうございます。



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by tenki00 | 2012-04-15 20:00 | tenki-ku

低温火傷

  インバネス戀のていをんやけどかな  八田木枯

『鏡』第4号(2012年4月)には、木枯さんの遺作(?)「幕下ろす」14句が。

で、昨日は、飯田橋駅近くの土手で「花筵有情」。木枯さんを偲ぶ花見の会。


私自身は俳句面での虚脱がまだ続いております。


追記:『鏡』第4号、わずかですが、残部あります。ご希望の方はご連絡ください。


  
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by tenki00 | 2012-04-13 10:00 | haiku

牛舎

鈴木牛後句集『根雪と記す』は、小ぶりの、正方形の判型(135mm×135mm)。

  初蝶は牛舎の隅の暗きより  鈴木牛後

牛後さんは、週刊俳句のシリーズ「牛の歳時記」からもわるように酪農を営まれていて、この句集には牛関連の句も多い。

牛じゃない句から。

  あけてゐるだけの呉服屋あたたかし  同

  行く春のいつか何かに使ふ箱  同


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by tenki00 | 2012-04-12 12:00 | haiku-manyuuki

タイプライター

ウラハイにタイプライターのコンピレーション

ジェリー・ルイスのも貼っておきましょう。『底抜けオットあぶない』(フランク・タシュリン監督/1963年)の中の一シーン。


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by tenki00 | 2012-04-11 12:48 | pastime

タイガース暮らし

ブログというもののありがたさをいちばん感じるのは、以下のような阪神タイガースのファンブログ。

自称阪神タイガース評論家

王道評論。惨敗の翌日、癒し効果大なることも特筆事項。

今年の阪神はやらかす!!

ネタ視点の愉楽。

阪神守護天使・今日のおちちゃん

かわいい。

日刊オォスポ

かわいい・その2。


この4つで、私のタイガース暮らしは満ち足りる。


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by tenki00 | 2012-04-07 12:15 | pastime

5年

4月28日(土)は週刊俳句5周年記念オフ会。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2012/03/5.html

私も運営のひとりなので、催しの企画など、ぼちぼち考えねば、というわけですが、俳句の集まりというのは、催しや挨拶で時間を埋めなくても、ふだん逢わない人たちとお話をするだけで充分愉しいというところがありまして。

たくさんの人とお会いできる、その期待に胸をふくらませておりますですよ。

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by tenki00 | 2012-04-06 12:28 | haiku