俳句漫遊記157 ちょっとした愛嬌

小川軽舟『手帖』(2009年9月)は、今年最も大きな話題と賛辞を集める句集のひとつだと思う。って、私が思っても思わなくても、「んなことは、みんなわかってんだよ!」とヤジが飛びそう。はい、こんなこと思ったりして、すみません。

  酢海鼠や大阪女かはいらし  小川軽舟

『手帖』は、誰が読んでも「良」としか言いようのないような、つまり好みや趣味を超えた佳句・秀句に満ちている。技巧を言えば、凡人が何百年やっても獲得できない妙技も数多い。

そんななか、あえて、この句。

ふつう、こんな句は、誰も挙げない。だって、いい句が掃いて捨てるほどあるんだもの。それでもこれを掲げるのは、この句集が「こんな句まで」(!)収めた句集ということが言いたいわけだ。つまり包容力の大きな句集という意味。

巧者・強者が愛嬌を備えると、その効果は絶大となるんですね。そういうことなのだと思います。はい。


付け加えるに、こういう句こそが、大好きなんですよね。われながら、困ったもんだ。
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by tenki00 | 2008-10-04 23:25 | haiku-manyuuki
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