関西弁では「なんじゃ、そりゃ?」というセリフをよく使う。たいした意味はない。合いの手のようなもの。非難の濃淡、吃驚度は、脈絡による。
最近、「なんだ、それ?」というセリフをよく聞くような気がする。関西ローカルの「なんじゃ、そりゃ?」がナショナル化したものだと解釈している。
と、ここまでの導入はあまり関係がない。「なんぢや」という俳句同人誌をご恵送いただいた。
表紙に「nandja」の表記も併せて記載。「ぢゃ」が「ja」ではなく「d」が入っているところ、ブルトン「ナジャ Nadja」を踏まえたと思しい。芸がこまかい。
愉しい句があった。気ままにいくつか。
白昼の重たさうなる蛇の腹 ふけとしこ
はつなつの一枚さかさ紙芝居 榎本 享
雨ふらし砂にまみれて乾きけり 中村瑞枝
着た切りの雀はいやぢや七變化 土岐光一
ビール瓶記念写真の真中に 井関雅吉
一句目。「白」が宜しいですね。二句目。あはは、ドジな紙芝居屋。三句目。「雨」と「乾く」の妙。四句目。紫陽花の横を雀がちょんちょんと。五句目。なんでもない句なのに、めでたく、なぜかちょっと切ない。
ご恵送、感謝。