俳句漫遊記130 バナナ

例えば林檎は詩的、芭蕉は俳句的。d0022722_2231865.jpg


一房の一気に黒くなるバナナ   近 恵

『豆の木第12号』(2008年4月)より。

バナナは登場するだけで俳諧味が出る強力なアイテムだが、バナナそのものは、なんだか有り体のない存在で、形状にも肌理にも色にも、陰影がないというか、ニュアンスがないというか。そんなバナナそのものを詠んで巧みな掲句。

手を伸ばす人もなく、一房揃って腐るに任せる。奇妙な未来(言うほどのこともない近未来)の時間を感じさせる句。
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by tenki00 | 2008-05-04 22:11 | haiku-manyuuki
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