好き句55 樋口由紀子

足の指ひろげてみるとペルシャ湾   樋口由紀子

なんだかすごく納得してしまうから不思議だ。

足の指をひろげるということ、それだけで世の中のおもしろいことの何割かが充満している。ちなみに、かみさんは、足の指ががばっと開く。その足を愛す。これはのろけの部類ではない。ロラン・バルトが日本の地で赤い消火栓を愛してしまったのと同じく、意味がしわくちゃになった、その死角のような場所で突然に陥る機微である。

ひろげた足の指。そして? ペルシャ湾である。ぱっかーんと、心の中の空気が乾ききる展開ではないか、これは!

掲句は、セレクション柳人13『樋口由紀子集』(邑書林)所収。

樋口さんが送ってくださったこの句集、数日前に届いた。多謝。まだ御礼の手紙が書けていない。
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by tenki00 | 2005-05-31 23:16 | haiku-manyuuki
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