俳句漫遊記118 不思議な不安

鳥の群れふとんの中にしまいこむ  佐藤みさ子

佐藤みさ子さんは川柳作家。句集『呼びにゆく』(2007年11月)を拝読。詠み手(作者)と世界の違和・軋みのようなものを感じた。

みんな帰ったあとの夜空に帽子浮く

寂寥感と呼んでは単純すぎるか。

体内の土管の列を意識する
横顔のさびしい電気冷蔵庫
蛍光灯の紐をこの世の中心に
引き出しを抜かれて秋の調度品
屏風絵の炎どこへも行くあてなく


素材(土管やら冷蔵庫やら屏風やら)が確かな物質感を伴うと同時に、それが別の何かであるような不思議な不安感。

不安だけなら、川柳や俳句の出る幕はない、というか、詠むこと、詠うことはない。「不思議」ということが、大事な領分なのだと思う。
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by tenki00 | 2008-01-08 19:40 | haiku-manyuuki
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