さっき鹿児島料理屋で薩摩揚げをアテに飲んだ黒ビールは旨かったが、それはそれとして、
「ビールは季語か?」という問い。
コンテクストなのです。問題は。
有名な例示。
「走る」は動詞である。
このとき「走る」の品詞は? 答えは、名詞。
「走る」を辞書で引けば、「動詞」としか書いていない。ある語が季語かどうか、歳時記その他は「参考」「参照」に過ぎない。歳時記にコンテクストを読む機能はない。自分で読みなさい。
「だって歳時記に載ってるもん」「だって歳時記に載ってないもん」「××さんが、そう言ったもん」
子どもじゃないんだから。
コンテクストなしに、語の働きをうんぬんしても無意味。
まず、「それが俳句である」というコンテクスト。
例えば「ビールは麦芽由来の酵素(アミラーゼ)により、穀物に含まれるデンプンを加水分解して糖化し、酵母により発酵させて作るアルコール飲料の一種」との一文における「ビール」は季語でありようがない。
次に、句に固有のコンテクスト(季語かどうかは句による、という当然の事実)。
なお、歳時記に立項されたあらゆる語についても同様。
以上。