べつべつのところで作られた2句をむりやり同衾させてしまう。
身の芯を一直線に寒気団 小野富美子
その朝の夢の猟銃なる角度 佐山哲郎
身体感覚を詠む女流俳人は多い。男性にとって、という身勝手な但し書きがつくが、ちょっと間接的に詠んでくれたほうがありがたい。粋な色っぽさが出る。もろ臓器だとか部位だとか、もろ交尾だとか、よりも、ね。
「猟銃」が何を指すかは説明させないでほしい。2つ並べると、1句と1句で味わうのとはまた別の感興。感興の意味がわかんねえ、という方は、……まあ、わからんでよろしい。
掲句(上)は聞き覚え。富美子姐さんは「麦」の先輩。掲句(下)は佐山哲郎句集『東京ぱれおろがす』(西田書店2003)所収。
このおふたりのコンピ句、もうワンセット見つけた。
花筵ここは一服盛るところ 哲郎
満山の桜耳朶より火照りくる 富美子
掲句(上)は同じく『東京ぱれおろがす』所収、掲句(下)は聞き覚え。
オヤジネタです、はい。