本屋さん

本や本屋について書いた本が好きで、よく読む。この手のエッセイの多い人もたくさんいる。出久根達郎はウェルメイドとは思うが、なんかくすぐったくてちょっと苦手。毛色を違えて荒俣宏はつまらなくはないが、なんかコクがない。好みは、紀田順一郎や(この分野だけではないが)種村季弘、それから(多くは読んでいないが)横田順彌もおもしろかった。数年前話題になった 『誰が本を殺したか』(佐野真一)もじっくり読んだし、津野海太郎の「本とコンピュータ」関係の書籍も、(おもしろくではないが)興味深く読んだ。

このあいだ本屋の棚で『書店繁盛記』(田口久美子・ポプラ社)を見つけ、ぱらぱらとめくって購入。読んでみると内容はつまらなく、「書名負け」。でも、興味深いネタもいくつか。

はっきりした数字は示されていないが、本の売上の話が出てくる。日本でいちばん本を売っている小売はどこか? 答えはセブンイレブン。2位はTSUTAYA。3位はブックオフ。書店チェーンは上位に入ってこない。

じゃあキオスクは?ベスト3に入らないのか?という疑問が頭をもたげるが、それはそれとして、凄いベスト3だ。雑誌・コミックが大きな部分を占めるとはいえ、本の好きな人間にとっては、「つまらない世の中になったなあ」と溜息の出る事実ではある。

書籍ということ、そして従来型の「本屋」ということなら、紀伊国屋書店がトップ(全体でもトップという時代が長かったはずだ)。紀伊国屋書店の売上は全国の売上の1%を占める。これが出版社の目安。出版社は、紀伊国屋書店のリアルタイムの売れ行きをオンラインで閲覧できる。ある本が紀ノ国屋で1日5冊売れたとすると、全国で500冊売れたと推測できる。同じペースで行けば、20日間で1万部。販促や増刷の目安となるのが、紀ノ国屋書店の売れ行きデータなのだ。

ところで、アマゾンはどのくらい本を売っているのか? 上記『書店繁盛記』は、すでに紀伊国屋書店を凌いでいると見る。それが正しいとしたら、これもまた凄い世の中だ。

オンライン書店の一番のメリットは検索。思い入れは、リアルの書店にあるが、オンライン書店ははやはり便利だ。私の場合、アマゾンは使わない。e本で注文し、近くの増田書店で支払い、受け取る方法をとる。

増田書店が好きだからだ。もう何十年も、この本屋に3日とあけず足を運んでいる(買う買わないにかかわらず)。だから、オンライン書店の検索機能を便利に使いはするが、お金は増田書店のカウンターで支払い(e本とどういう折半なのか知らないが)、本を受け取る。

いい本屋さんは、やはり、いい。いい本屋さんが近くにある暮らしを続けてこられて、幸せだったと思う。
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by tenki00 | 2006-09-19 21:35 | pastime
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