新子、旨かった

新子がなかなか出てこなかったのは、この夏、暑さが足りず、あまり穫れなかったせいと、鮨屋で聞きながら、食す。ほんとうを言うと、小鰭のほうが好きなのだ。新子はちょっと上品すぎる。でも、季節ものだもんね。

立秋近くになってから、ようやく本格的に暑くなった感じの夏でしたね。

今夜は「今日の40句」。100題100句・夏の館の061:水-100:終。あめをが完走しましたので。

花氷はやくも水のしたたりぬ
夜濯ぎの蛇口ひとつが仄明し
赤茄子がひとつ宇宙もほぼひとつ 
それならば薔薇にすべしと先生が
蛍飛ぶ野に捨てられし鍋の上
溜息のやうな満月きうり揉む
昼顔の咲き継ぐ道の泌尿器科
人形のたひらなる胸明け易し
八月の雨の匂ひの映画館
遠きより鳥の聞こゆる抱枕

夏服の影のよぎりぬ海鼠壁
手びさしでかなたを見遣る土用凪
白南風の嬉しき理科の時間かな
瓶が透け向うが見ゆる大南風
駅前のバスの発着レモン水
飲みさしの麦茶の置かれ化粧台
上半身はだかで過ごし父その日
写真機の中を漂ふ熱帯魚
緑陰をのたうつビニルホースかな
副腎をほろりとさせる大西日

塵芥が鉄にからまる炎暑かな
よくふとる金色堂のなめくぢり
犬つころひとつ寄り来る夏座敷
晴れた日は水母のごとし姫路城
夜遊びのしばし檸檬の香のしたり
鉢巻の似合ふ男だ晩夏光
にぎやかに墓が並んで百日紅
水飯やそも哲学の何たるか
此岸へと飛び来る蠅を愛しめり
一本のアイスクリンの棒の出づ

毛虫這ふ山に一村一氏族
ぎりぎりで踏ん張つてゐる茄子の馬
ピーマンが破裂この世はどこか嘘
気体からとりだす元素ねむの花
かぎろへる日や鶏卵に糞すこし
眼帯にかすかに匂ふ兜虫
滝の音の高まる一歩一歩かな
そこここに電波の飛べり夏霞
とりあへず海月この世のある限り
全曲の終りて夏の空と海
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by tenki00 | 2006-08-08 21:20 | pastime
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