ベンチ

ひとりで昼ご飯を食べたときは、そのあとベンチに坐ってパイプをふかすことが多い。

その前に本屋に寄って買ったばかりの本を開きながらだったり、あるいは、ただただ、ぼーっとしていたり…。くにたちの大学通りの駅を背にして右、文房具の金文堂の前あたりの、桜や銀杏に囲まれた一区画に4つ、その先、洋書の銀杏書房の前あたりの一区画に4つ、ベンチがある。ここに坐っている数分か数十分が、一日のなかでいちばん気持ちのいい時間だ。

以前は、このベンチに、毎日同じ顔ぶれの中年男性数人が坐り、暇そうに日中を過ごしていた。無職なのか仕事をしなくても食べていける人たちなのかわからない。毎日毎日、ベンチに坐っておしゃべりをしていたが(私たちは「ベンチーズ」と呼んでいた)、最近は姿が見えない。どこ行ったんだろ?

道のそのへんにベンチがあって、しかもそこに気持ちよく坐っていられる街は、暮らしやすい。だから、引っ越しても引っ越しても、このあたりから離れることがなかった。これからもそれは同じだろう。年取ってもずっと、このあたりに暮らしていきそうだから、このベンチが今のままであることを願うのだ。
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by tenki00 | 2006-03-14 01:15 | pastime
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