年詰まる

「いい加減にブツ、納めんと、殺す」と告げられ、これはかなり本気だなと、ともかく労働労働。ところが進まん。これとこれとあれとあれを詰め込めばいいわけだと、コンテナーに載せるコンテンツが決まれば、時速150km。ところが、「ううん、なんかなあ。あのさ、これ、おもしろい?」と自問が始まると、いけない。「ううんとねえ。あ、おもしろくないんじゃない? うん、おもしろくないな、これ」とゆうことになって、そうなると牛よりのろい。どうにもこうにも進まん。もう少し若い頃なら、おもしろくなくても、これでオマンマ食うわけだよ、きみ、と自分を宥め、なんとかぐりぐり進めたものだが、年取ると、聞き分けがきかないきかない。パワー出ない出ない。それでも労働労働。時計を見て、ああ、もう出かけなきゃと電車に乗る。お仕事関係の飲み食いもまた、りっぱな労働だ。赤坂の、「おお!こりゃ高そう」という店構えの中華料理屋。仕事関係なので、出てくるのは、わかりやすく高いもの。鱶鰭の姿煮に北京ダックにその他もろもろ。歓談。初対面の方多数。最初無口。自分の役廻りを確かめつつ口を開き、歓談。料理を食い終えて杏仁豆腐に匙を差しながら、「煙草はいいか?」と訊くと「いい」と言うから火をつけたら、「パイプはご遠慮ください」だと。イギリス人よ、中国はもっとコテンパンにやっとくんだったな、立ち直れないくらいに。まあ、それを言ってもしかたがない。私は紳士だから、「ああ、そう」とパイプをポケットにしまう。店を出る。ホテルの灯りでかたどった貧乏くさいクリスマスツリーを携帯電話のカメラで映している婦女子の横をすり抜けて、近くのホテルの上階でちょっと飲む。歓談。初対面の人々とも打ち解けたりして、「いやあ、この時期、このへんはこうなんですね」などなど。夜中にくにたちに戻るが、労働を続ける体力がない。年取ったなあ。寝る。起きて労働。田舎の弟から電話。書類をどっかにどうにかすると、税金の還付があるから、どうせいこうせいとかという話だ。そう言えば、郵便物が届いていた。しかしなんだか複雑な話で頭に入ってこない。あのさあ、返ってくるったって、キミと違って、こっちが払ってる税金は微々たるもんなんだよ。だから知れてる。うん、うん、まあいちおう動くけどね。がちゃ。そうこうするうち、宅配便が届く。宅配便のおにいさんたちはこの時期になると、さらに声の張りが高まる。暮れから正月へ、繁忙期に向かって自分を盛り上げるわけだ。えらい。荷物ふたつのうちひとつは、昔いた若いもんからだった。ん?歳暮?いきなりどうした? 「こんなもんいらん。次回からはやめよ」ということを、どのように言えばいいのかをあれこれ思案する。で、それは電話かメールか礼状か? そんなどうでもいいことまで考えてしまう。もうひとつの荷物は、麦の前会長の田沼さんの原稿。整理を頼まれたので、「正月明けなら」と答えたが、もう到着。ちょっと目を通し始めて、ふうん、田沼さんて、バシュラールなんて読んでたわけね、などと、なかなか興味深い。おっと、いけない、こんなことしてる場合じゃなかった。労働労働。夕方からyuki氏は、同僚との忘年会に出かけた。夜が更けてくるが、ひとり外食する気分じゃない。あとの労働は自宅ということにして帰宅。戸棚を開けると、日清チキンラーメンがあった。懐かしい。yuki氏は昼をこんなもんで済ませてるわけか。まあ毎回じゃなかろうが、それにしても甲斐性のない亭主をもつと不幸だ。涙。これが晩御飯でいいやと、お湯を注ぐ。食す。昨日の鱶鰭・北京ダックとは同系。美味しさは変わらんなあ、ということなら、物語っぽくて、この記事のオチにもなるが、やっぱり昨晩のほうが美味しいや。日清食品の責任じゃないけど。そして、まったり労働。焦ってもスピードは上がらんぞ、こりゃ、と達観。えっへん。電話が鳴る。yuki氏だ。「いまお茶の水ー。あのー、これから不倫する」。おお、またバカ言ってる。わかったわかった。気をつけてな。明けてクリスマス・イヴ、今年もあと1週間か。今年も適当だったが、来年も適当にやるんだろーなー、私は、と覚悟を決め、エルヴィス・コステロの「スマイル」を聞きながら、蜜柑を1個剥いた。
[PR]
by tenki00 | 2005-12-24 00:31 | pastime
<< 「三大」俳句 名づけられた世界 >>