タイガースファン向けエントリー 優勝決定のその夜

まず、小ネタ。セーヌ川の道頓堀化。ふうん。ちょっと見てみたかった。

タイガース優勝の夜、「恐るべき関西地方」では、朝方まで特番をやっていると、前に書いたが、実は、わたくし、CSでいろいろと観てしまった。ちょっと恥ずかしい。しかしながら、いろいろと話題があって、おもしろかった。

1)ビールかけ
いろんな局をザッピング。ビールかけをこんなに観たのは初めてだったが、興味深かったのは、取材側の人のこと。テレビ局ごとに取材担当者が合羽を着て、マイクを向けるのは毎年のことだが、取材する側とされる側の関係が、取材シーンに現れる。今回、選手を含め、もっともビールを浴びたABC朝日放送の武田和歌子アナウンサーに注目した。

2)選手インタビュー
いろいろ出てきた。〔赤星・金本・今岡〕〔JFK〕などセットになって各局をめぐる。今回、誰がもっとも笑いがとれるかという視点で真剣に観る。予想では、金本あたりに注目したが、結果は、岡田監督がいい線を行った。天然部分も含めて。

3)9.7の真実
監督・選手のインタビューを聞き、組み合わせると、おもしろいことがわかってくる。9.7とは、9月7日の中日・阪神戦。橘高主審の判定とかあって揉め、延長戦で決まった試合(経過については、自称阪神タイガース評論家さんのこの記事を参照)、サヨナラ負けかというシーンで、岡田がマウンドに行き、抑えの久保田に何を言ったかが、これまで話題になっていたが、岡田が「絶対に言えない」と言いながら、洩らした。「むちゃくちゃやったれ」というのは「ぶつけろ」という意味だったらしい。

つまり岡田は熱くなったままだったわけだ。でも、「ぶつけろ」はいけないなあ。中日のバッターに責任はないんだから。

それを聞いた若い久保田は、しかし、冷静だった。「勝ちたい」と思った。ぶつけたら、押し出しでサヨナラ負けだ。岡田監督は「負けてもいい」と言ったが、久保田は勝ちたかった。それで、ぜんぶ直球で内角を攻めた(岡田監督の「ぶつけろ」と自分の「勝ちたい」が両立できる組み立てである)。結果、二者連続三振。

ちなみに、関本は「今年一年でもっとも印象に残った自分のプレイは?」と訊かれ、9.7の二塁からのバックホームと答えた(関本ナイス!)。このバックホームの際のセーフ判定をめぐって、岡田が選手全員をベンチに引き揚げさせた。関本曰く「投げてはいけないシチュエーションだったが、100パーセント、アウトにできる自信があったから投げた。ところが、自分が思った以上に、肩が弱かった(笑)。これが誤算」--二塁から本塁への関本の送球は、緩く、おまけにワンバウンド。捕手の矢野は、ボールがなかなか自分まで来ないので、いらいらしたらしい。それくらい、ゆるかった。

関本の送球がふつうに早かったら、あのシーン、アレックスはアウトになり、試合の経過と結果は、まったく別のものになっていただろう。

結論:
岡田監督について、私はこの一年間を通じて、高い評価をもつことができなかった。しかし、岡田に「自然」(文化cultureの対概念としてのnature)を認めるようになった。岡田の「自然」がもつ無秩序な「力」を、選手たちがcultureの洗練でもってコントロールするあいだは、タイガースは、きわめて興味深いチームでありつづけるだろう。

(小ネタがフランスだったせいで、なんだかこんな結論?)

監督がチームをコントロールするのが一般的で、そのかぎりにおいて、プロ野球チームは、経営論的比喩に収まる。タイガースは、そんな次元を突き抜け、人類学的あるいは社会学的脈絡で捉えるべき対象となった。

岡田監督は、私にとって、認めることをはばかりながら、実はいかんともしがたく、影響力と拘束力をもって私を捉える存在だったというわけか。これはまさしく、自然(nature=本質)であると同時に、「伝統」あるいは「習俗」と私たちが呼んできた概念に他ならない。21世紀のキーワードは、「大阪のおっさん性」であると断言しておこう。
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by tenki00 | 2005-10-02 23:12 | pastime
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