小学校

『豆の木』第16号(2012年4月21日)より。

  蟻穴の深きところに小学校  こしのゆみこ

小学校のロケーション・在処として、蟻の穴は、充分に不思議なのですが、どこか実感というか現実味も残る。そのへんのあんばいが良くて、滋味豊かな句。

現実から遊離しっぱなしではなく、一本、糸がつながっている感じは、どこから来るのだろうなあ、と。

小学校というものの温度なのか質感なのか。ともかく、小学校にブツ感が備わるのですね。蟻穴に置くことによって。


ところで、「深き」はどうなのだろう? ということも思いましたよ。こしのゆみこさんといえば口語体というアタマがあるものですから。「深いところ」でいいんじゃないの、と。

『豆の木』第16号掲載の「半袖」10句には、文語体処理が、ほかにもいくつかある。《時の日のトイレにありし青い空》の「ありし」、《つもりながらわすれてゆきしぼたん雪》の「ゆきし」。もちろん、何かを考えてのことでしょうが、読者としては引っ掛かる。

なんで文語体? こしのさん、どこに行くの? という感じなのです。


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by tenki00 | 2012-05-28 20:00 | haiku-manyuuki
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