観くらべ 第11番 彷徨

予約したDVDをTSUTAYAが2本ずつ郵送で送ってくれるサービス。その2本に勝ち負けを付けるという、ヘンテコリンなシリーズの第11弾。


『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』(ハル・アシュビー監督/1971)

右 勝
『さすらい』(ヴィム・ヴェンダース監督/1976年)



ひゃあ~70年代っぽい!というのが『ハロルドとモード~』を見始めてすぐの感想。画面やエピソードがポエミーなところ、主人公の若者がちょっと虚無的でデカダンな雰囲気なところ。70年代って、こういう感じ、あったよなあ、と。

自殺、というより死に対して異常な関心をもつ金持ちのボンボン(大学中退後、家でぶらぶらしている)と、エラくアクティヴな80歳のおばあちゃんの交情を描く。ボンボンの感情は交情を取り越して恋、さらに結婚まで望むというのは、ちょっと無理がある、というよりは、ストーリーとして、やりすぎ感。

前提をひっくり返して自由気ままに暮らすじいさんとの交情のほうが、ふつうにポエティックな映画になったと思うが、なんで、年の差(50歳以上)カップルにしちゃったのだろう。



『さすらい』は、176分と長尺。長い映画のなかには、「ああ、もっと続け! 終わらなくていい!」と思うような素晴らしい映画、その長さこそが快感であるような映画がある。例えば、『EUREKA』(青山真治監督/2000年)は217分、『ヤンヤン 夏の想い出』(エドワード・ヤン監督/2000年)は173分。

この『さすらい』。びっくりしました。最高です。

典型的なロードムーヴィー(流行りましたよね)なのですが、もう、どこをとっても最高に大好きとしか言いようがありません。

筋は紹介しません。きほん、行き場のない男ふたりの放浪、彷徨。オールドメディア(新聞・活字)とニューメディア(映画・映像)といった対照も副次的に鳴っている映画ですが、そんなことはそれほど重要ではなく、映画というのは光だよなあ、時間だよなあ、という、もう愉楽・愉楽の3時間弱でございます。

見逃してたんですねえ、これまで。ちなみにヴィム・ヴェンダースは、『ベルリン・天使の詩』が好き、『パリス・テキサス』は前半が好き、後半つまらない、というのが私の感想(好み)。


迷わず、右勝。

この期に及んで、こんな大好き映画が見つかるとは! という感じです。

なお、『ハロルドとモード~』は、魂の彷徨と捉えることもできましょうが、どうにも納得の行かない映画です。

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by tenki00 | 2012-04-21 11:27 | pastime
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