観くらべ 第10番 現代アートvsビデオゲーム

予約したDVDをTSUTAYAが2本ずつ郵送で送ってくれるサービス。その2本に勝ち負けを付けるという、ヘンテコリンなシリーズの第10弾。

映画は古いメディアです。なにしろキネトスコープ(エジソン)、シネマトグラフ(リュミエール兄弟)の発明は19世紀末。「月世界旅行」(ジョルジュ・メリエス監督)は1902年。長い長い歴史があるんですね。

ところが、世の中には新しいメディア、新しい風俗・文化も次々生まれる。今回の2本は、その意味で、新しい事物、20世紀終わりの事物を扱った2本。1本はグラフィティ・アート、1本はゲーム。

左 勝
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ (バンクシー監督/2010年)


スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 (エドガー・ライト監督/2010年)

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップは、グラフィティアートを世界各地でゲリラ的に展開する覆面アーティスト、バンクシーによるドキュメンタリー映画。ストリートアートの追っかけをやってるフランス人のおっちゃん(ティエリー・グエッタ)が撮り溜めた厖大なビデオ。「編集して映画にしてみたら?」と奨めたら、クソのようなシロモノが出来上がり、「しゃあないなあ、もう」とバンクシー自身がその素材を元に映画に仕上げる。一方、ティエリー・グエッタは、自身が即席「アーティスト」になって個展を開き……という筋書きは、まさに「事実は小説よりも奇なり」の世界。

おもしろかった!

現代アートにまつわる薄っぺらに俗な事柄を、テンポよく軽妙にアイロニカルに、そして温かく。

バンクシーという人にダンディズムさえ感じてしまった。

余談だが、ティエリー・グエッタの幼少(少年)の頃のかわいらしいこと! それがなんでこんな不細工なオッサンになってしまうのか! フランス男性の宿命? 否、考えてみれば日本人だって、「子どもの頃はあんなにかわいらしかったのに、なんで?」というオッサンは数多いから、これはまあ「時間は残酷」というだけの話か。



スコット・ピルグリム~は、ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年)、ホット・ファズ(2007年)がたまらなく面白かったエドガー・ライト監督の新作ということで借りたのですが、つまらなかった。

この映画が下敷きにしているビデオゲーム? 正しい呼称がわかりませんが、格闘ゲームとかロールプレイングゲーム? これらにまったく馴染みがなく経験がないので、ついていけませんでした。また、いわゆる「オタク」文化についてまったく不案内。

というわけで世代ギャップ。もう時代についていけなくなっている自分を感じた。

なお、原題は「Scott Pilgrim vs. the World」。これって「セカイ系」ということですよね。よく知らんけど。



ビデオゲームみたいな映画が多くなっている。スコット・ピルグリム~ははっきりと下敷きにしているわけだが、そうではなくても、CG多用の映画は多い。個人的な好みでいえば、映画は、古い歴史的な風味・風合いを残してほしい。イグジット~は、ドキュメンタリーということもあるが、映画伝統的な良さのある映画と思いましたですよ。


d0022722_1613089.jpg

[PR]
by tenki00 | 2012-04-03 20:00 | pastime
<< 5年 「夜霧のサンドイッチパーティー... >>