来世

来世とか、死後の世界とか、事実として、ない。

けれども、人は事実に依ってのみ生きるのではない。

…というのが私の考え方。

で、『ヒアアフター』(クリント・イーストウッド監督/2010年)。

日本での公開は昨年2月から3月にかけて。冒頭に津波のシーンがあることから、3.11の直後、ロードショーが打ちきりとなったそうで、そのとき見逃して、DVDで観ました。

サンフランシスコ、パリ、ロンドンと3カ所で別々にストーリーが進む。「どうやって3つが一緒になるのだろうな?」という興味を抱きながら観ていたが、途中から、もうこのまま別々でも、この映画は成立するな、と思い始める。しかしながら、ちゃんと一緒になる。実に自然に。

雑駁に言ってしまえば、魂の救済・再生。そう言うと宗教じみるが、そうではない。死者と対話できる男(マット・デイモン)の顛末、というのでもない。いわんや来世があるのかないのかといった話でもない。そんなんでもなくて、じんわりと心の機微をついた映画というか。

ともかく、せつなく、心優しい。

3カ所の3人がどのように再生するのか。それもまた自然な話運び。

ほんとうにもう、クリント・イーストウッドからは、いい映画しか出てこない、という、ものすごい状態。


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by tenki00 | 2012-03-15 20:00
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