絨毯にハイヒール

   緞通に大きな靴の跡ありぬ  高浜虚子

緞通、絨緞は冬の季語とされる。わからないことはありませんが、かなりムリクリです。「そんなの、季語といえるのか?」と言う人には、「そうですよね」と答え、「いやいや、りっぱに季語(季題)だよ」と言う人にも、「そうですよね」と、私は答えるだろう。要するに、どっちでもいいのだ。

   絨毯を深々と刺すハイヒール  竹岡一郎

深々だから一般家庭にあるのとはモノが違う。いやそれより、靴履きという点で、すでに御家庭ではない。ホテルかレストラン、それもかなり豪華な。

ハイヒールは、高くて細いやつ。映画でしか見ないようなやつ。じゃないと刺さらない。履き主は、もう、それは、美人、と相場が決まっている。


微視的に一点にピントを合わせながら、その場の空気や気分を伝える。これって、俳句のひとつの醍醐味なわけです。



ハイヒールの句は『蜂の巣マシンガン』(2011年8月・ふらんす堂)より。

他に何句か。

  船乗にいそぎんちやくのそよぎけり

  抱卵期見世物小屋に風が吹く

  落下傘秋草の野に畳みけり


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by tenki00 | 2011-10-06 21:00 | haiku-manyuuki
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