実際のところ、毎日、おおむね平和なわけでして。
秋の蚊に吸はれて平和だと思ふ 仁平 勝
はい、平和といえば平和。
もちろん、1時間後に、私を取り巻く状況が平和なんぞととても言えないものになるかもしれませんが…。
それはいわゆる「3.11」以降も? んんん、どうなんでしょう?
誰かがそれどころじゃなく、別の誰かはそれどころ、というのは、いつもそうなんですしね。それに、「これは平和じゃない」と継続して思い続けることは、少なくとも私のような凡人にはそうとう難しい。
ただし、平和だからといって、ハッピー!ハッピー!てなことなのかというと、それはそうではなくてね、なんだか、どよ~んとはしているわけです。
で、こんな捉え方も、たしかにありますですよ。はい。
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いい国すぎて危機感がもてない
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掲句は『黄金の街』(2010年11月・ふらんす堂)より。この句集、ゴールデン街というタイトルの趣向から連想するのと少し違う、脱力系のおもしろい句が並んでいます。かなり好みでした。引くと、たくさんになりすぎますので、3句だけ。
靖国の暑いの暑くないのつて
八月の町が停電してをりぬ
元日のもう夕めしになつてをり
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