少女アイドル歌謡

吉田豪監修「ライブアイドル入門」というCDのことをラジオで知り、買ってみました。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/4163333

「ライブアイドル」という範疇自体、知らなかったのですが、Wikiを読み、ああ、これって「オタク」と呼ばれる人たちに支えられている少女歌手のことかと、浅く理解しました。このCD、「入門とあるので、私みたいな人間が対象なのでしょう。

で、聴いてみると、なかおもしろい。

むかし、少女アイドル歌手のレコードが、歌唱はまずくても、作曲や編曲が洒落ていたり(大場久美子の曲を、筒美京平とかが書き、萩田光雄とかが編曲して、腕っこきのミュージシャンがスタジオで演奏した、みたいな)したので、硬いことを言わない雑食のポップス・ファン(例えば、私)は、この手のものに食指を動かすことに躊躇はありません。

とくに良かったのは、次の3曲。

●圧倒的なスタイル (Negicco)

ワウを効かしたギターの刻みの入るイントロは、不滅のワクワク感。ノウザン・ソウル? ベースにグルーヴ感横溢。歌詞と歌唱がちょっと切なくて良。

歌唱でコケトリーを強調しない点、他とはちょっと風味が違う。

それにしても曲名、圧倒的なスタイル、って、かなり良くないですか。何? 何?となりますよね。

●恋愛サーキュレーション (小桃音まい)

ラップっぽいヴァースとメロディアスなサビ。これは私が聴いていた時代よりもこっちの(つまり自分からすれば新しい)スタイル。

●恋のおねだり人形 (たれめのロリーズ)

プロデュースのローリー寺西ということで、「ローリー寺西」色一色。このチープさ、キッチュさ、受容できるか否かは、好みではっきり分かれるだろう?(私は後者)。

よく言われることですが、80年代くらい(?)から、アイドル=アイドルに憧れアイドルを演じること、つまり「アイドル想望アイドル」が、少女アイドルの主流というか主成分になった。「たれめのロリーズ」という企画物トリオは、その典型のような感じ。これはアイドルの擬態ともいうべきで、それなら、音楽もウソっぽいほどステキということになる。

ちなみに、この「恋のおねだり人形」は、こちら(↓↓↓)で無料ダウンロードできます。
http://www.ongen.net/press/20090902.php

  

私自身は、いわゆるオタクにまつわる文化事象について、まっかく勘が効かない。例えば「萌え」という概念についても、むかし学生君からいくら説明を聞いても理解できず、いまだによくわからない。それでも、このCD、ずいぶん楽しめた。

っつうか、男の子たち(あるいはおっさんも含め)が楽しむ以上に、歌っている女の子が楽しんでいる感じが伝わった。みずからを「商品」と自覚したうえで楽しんでいる感じもする。だからアイドル・ビジネスごっこといった様相さえ帯びる(個々がどこくらい商売になっているかは知らないが)。

ともかく、歌い手、演じ手の少女たちには、人生や暮らしや感情といった鈍重さがない。むしろゲームに興じる軽さ、すばやさ、です。ねっとりとしたコケトリーも、本気なわけではない。スペックの一つに過ぎないのだろう。

(年寄りの私からすると)キミたち、カッコいいよ。

てな気分にもなったのですよ、このCDを聴いて。


[PR]
by tenki00 | 2011-09-09 12:00 | pastime
<< 俳句のおもしろさ 肯定と否定 >>